「もうアラサーと呼ばれる世代になってしまった。
今から未経験でもスタイリストを目指せるのかな?」
実際にアラサーからスタイリストアシスタントを始めた私がそんな疑問にお答えします。
ただ注意点と覚悟した方が良いこととがありますのでお伝えしていきます。
アシスタントになるのはシビア
師匠との年齢差がネックに
何歳からでも衣装スタイリストの仕事は出来ます。
実際に30歳を超えてからスタイリストになり活躍されている方もたくさんいます。
この点は安心して欲しいところです。
ですがアシスタントを始めるときに話はシビアになってきます。
一番の理由は師匠になるスタイリストと年齢が近くなるからです。
スタイリストは若くて20代前半で独立する方もいます。
そうなるとアシスタントは自分と年齢が離れている若い子の方が使いやすいんです。
若いアシスタントが選ばれる理由
①指示がしやすい
アラサーのアシスタントを雇うと、年が自分と変わらない人を怒ったり、急かしたり、指示を出さなきゃいけません。
撮影中周りのスタッフから「あのアシスタントの子、年齢上そうなのに怒られてるけど大丈夫?」的な目で見られる事になります。
その不信感が自分のスタイリストとしての信頼を崩すことになったら大変。
なので怒鳴っても自然な風景で済まされる年齢が若い子をアシスタントに選びやすいんです。
②若いモデルとアシスタントが同世代なら現場が和む
モデルさんと話をする時も若いアシスタントがいると、モデルさんと同世代なら思わぬところで会話が広がったりします。
現場を盛り上げて撮影を楽しくさせるのにもアシスタントは一役かっています。
楽しい雰囲気にして良い作品を生み出すのもスタイリストの仕事なんですね。
③体力仕事も任せられる、結婚や出産の予定も直近は考えなくていい
アシスタントが自分よりも若いと体力があるという認識があるので重たい荷物もどんどん任せられます。
そしてアラサーであればいつ結婚してもおかしくないです。
おめでたいことですが、女性ならではの結婚の有無や、出産、子育てのタイミングも気にしなくてはなりません。
スタイリスト側からしたらアシスタントを育てたのに数ヶ月も休まれたら、また新人アシスタントを採用することになります。
忙しい時期になれば現場が回らなくなる心配が出てきます。
以上の感じでアラサーのアシスタントを採用するには作業がやりにくい点が多いんです。
アシスタントを始めるのに年齢制限はありません。
しかしスタイリストから見ればアラサーのアシスタントは雇うメリットがあまりないんですね。
年齢を逆手にとる
とはいえ、いつでもアシスタントは不足している業界なのでアラサー未経験者にもチャンスはあります。
社会人の当たり前ができることをアピール
大きな声であいさつができたり、集合時間に早めに集まったり、撮影現場で色んな人に気を使ったり、電話の対応が出来たり、体調管理が出来る。
こんな仕事に含まれないような小さなことがアピールになるの?と思う方もいるかもしれません。
しかしスタイリストは普通の会社のような新人研修がない分、直接指導しなければいけません。
社会人としての常識がすでに身についていることは大きな武器になるんです。
異性スタイリストのアシスタントになる
男性スタイリストなら女性のアシスタント、逆パターンもしかり。
男性スタイリストが女性のモデルさんや芸能人を担当することって多くあります。
その中で着替えのサポートができるアシスタントがいるとかなり撮影がスムーズに。
モデルさんもこの服どうやって着るの?着方あってる?という不安が解消できたり、試着スペースから出る前に下着が見えてしまうトラブルがあった時にさっとインナーを貸したり出来ます。
モデルさんと同性なら気を使わずにモデルさんが撮影している間に試着スペースに入っていき脱いだ服を片付けて次の衣装を準備したりできます。
意外と男性のモデルや芸能人も同じです。
内心では女性スタッフに裸を見られるのが嫌だという方が多いです。
人にもよりますが、異性の方が年齢をあまり気にしません。
異性のスタイリストを狙ってアシスタントに応募するのはかなりオススメ。
アシスタントたちのまとめ役になる
スタイリストによっては2人〜5人ほどアシスタントを抱えている場合があります。
その中で年齢が上になった場合アシスタントたちをまとめるバイトリーダー的ポジションを狙うのもおすすめ。
その場合、1番弟子のアシスタントが年上上司になる場合がありますが仕事面以外でアシスタントをサポートしたり、上手くまとめてチームワークを上げて生産性を高めることが出来ればスタイリストさんも助かります。
仕事でリーダーや管理側になった経験などあれば迷わずアピールしましょう。
アシスタントにならず独立するには?
いきなり独立はほぼ不可能
これからスタイリストを目指したいけど年齢のこともあるし今更誰かのアシスタントにつくのは厳しいと思う方もいるかもしれません。
スタイリストはアシスタントになり独立するのが主流。
未経験でいきなり独立するのは無謀です。
しかしアシスタントにつく回数を少なくする方法も一応ありますのでご紹介します。
衣装スタイリストの派遣会社に登録
現実的な方法は衣装スタイリストの派遣会社へ登録すること。
派遣会社は勤務期間によってスキルと報酬が上がっていくシステムが多いです。
一番下のランクから始めて、そのまま一人前のスタイリストまでステップアップできればスタイリストとして独立することが出来ます。
独立というよりプロのスタイリストとして認めてもらい派遣されるイメージ。
オススメの派遣会社、スタイリスト事務所はこちら。
派遣会社のメリットはアシスタント時代でも日給がもらえるところ。
日給をもらいながら現場で経験を積む事が出来ます。
デメリットは仕事を選べないところです。
会社により得意な媒体や雑誌に特徴があります。
どうしてもやりたい仕事がある人はおすすめ出来ません。
例えばですが「どうしても雑誌Cancamの看板スタイリストになりたい!」という目標があるならCancamのスタイリストさんへ弟子入りするのが一番早いです。
派遣会社で一人前のスタイリストになってもCancamとつながりが出来なければ仕事は出来ません。
もうひとつデメリットは案件によっては誰かのアシスタントで現場に入ることがあります。
スタイリストはどうしても下積みありきの職業なんですね。
ファッション系インフルエンサーになる
ここから再現性はガクッと下がり申し訳ないです。
アシスタントにならずにスタイリストのような仕事をするにはファッション系のインフルエンサーになる方法もあります。
・体力的に激務に耐えられない
・金銭面でやりくりできない
スタイリストは何歳まで働ける?
スタイリストとして独立してからは本当に年齢は関係なくなります。
個人事業主なので普通の会社と同じような定年退職制度はないですし、生涯現役でスタイリストを貫いているベテランの方もいらっしゃいます。
とはいえ体力仕事であるのは変わりません。
なのでスタイリスト事務所の経営側に回ったり、副業で本を出したり、投資の勉強をしたり、スタイリストの収入以外にも違う仕事をしている人が多いです。
どの仕事でも同じですが収入の柱を増やす工夫は必要になってきます。
角度をかえてみる
ここまで衣装スタイリストの仕事を紹介しましたがやっぱり向いていないかもと思った方がいるかもしれません。
そんな方は衣装スタイリストと「近い」「似ている」仕事があります。
必ずしもスタイリストにならないと夢が叶わないとか、そんなことはないと思います。
少し角度を変えて考えてみてください。

まとめ
長くなってしまいましたが、スタイリストになりたいと思ったなら年齢を理由に諦めなくてもOKです。
衣装スタイリストや、クリエイティブに年齢は関係ありません。
この記事が何か参考になれば幸いです。
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