衣装スタイリストのアシスタントの始め方を実際にアシスタントを経験した私からお伝えします。
衣装スタイリストアシスタントは誰でもなれます。
男女問わず年齢も20代後半までだったら何も問題ありません。
アシスタントはやめておけ
冒頭から厳しいことを書いてしまい申し訳ないです。
衣装スタイリストを目指そうと思った方に本当にアシスタントをやる覚悟があるのか、もう一度注意点をまとめますね。
完全なるブラック業界
普通の会社ではないので一般常識が通用しません。
仕事なのですが会社へ働きに行くと思わない方が良いです。
定時と休日はないです。
仕事が終わるまでが仕事なので終電も関係ないです。
忙しい撮影期間は毎日そんなスケジュールで人によっては給料ももらえません。
完全なる体育会系
電車の遅延、風邪で休む、忌引など普通の会社では許される休みや遅刻早退が一切認められません。
悲しい話ですが私は高校の友達の結婚式に参加出来ませんでした。
友人のアシスタントも忌引の時にめちゃくちゃ嫌な顔されて渋々休んで良いと言われてました。
いかなる理由でも現場に穴をあけるのはダメです。
完全なるビックドリーム
人扱いされないようなアシスタント時代を乗り越えれば大好きなファッションの世界で自分の実力が認められ憧れていた芸能人やタレントとも仕事ができるかもしれません。
たくさん稼げる売れっ子スタイリストになればタワマンに住んだりメディアにも取り上げれたりタレントのような人生を送れるようになります。
ですが独立したあとも仕事に爪痕を残し必死に成長していかなければなりません。
毎日営業ざんまいで稼げない、名前も売れないフリーターのような状況になってしまうかもしれません。
このようなスタイリスト業界の裏事情を知らないままアシスタントを始めるのは危険ですが、こうゆう業界なんだと最初に知っておくだけでも見え方が全然違ってきますね。
中にはアシスタントを辛いと思わない、楽しくて仕方ないという方もいますので安心して下さい。
それでは具体的にアシスタントのなり方を解説していきます。
スタイリストアシスタントのなり方
ロードマップ
この手順通りに進んでいけばある程度スタイリスト業界の仕組みが分かるようになり、安心してアシスタントや就職、転職活動を始められるようになります。
スタイリストの種類を知り、職種を知る
挑戦したあとに後悔しないようにスタイリストにも色んな仕事や働き方があると知ることが大切です。
次の見出しで仕事を解説していますので参考にしてみて下さい。
もしアシスタントも縫製の仕事も自分には合わなそうだと感じたらスタイリストに似ている仕事を別記事で紹介しています。

アシスタント時代の雇用方法や収入を知る
衣装スタイリストに興味をもったら実際に気になることがお金の問題。
スタイリストとして独立するには誰かに弟子入りするしかありません。
しかし生活費の工面もありますのでスタイリストの派遣事務所に登録する方法もあります。
未経験でもアシスタントの実務経験が積めます。
詳細はこちら。

応募条件を知る
アシスタントをやろうと思った時、自分の立場や経験で応募できるのか分からない。
そんな方へ応募する時のポイントまで回答しています。
服の学校を卒業していないし学校から通い直さないと行けないの?

年齢は何歳までOKなの?

求人へ応募、弟子入りする
応募する事務所やスタイリストさんが決まったらあとは働きたいと連絡して面接をします。
アシスタント希望の連絡をする時の応募文を公開しています。
私は実際にこの応募文を使ってアシスタント合格できました。
言葉が思い浮かばない人はコピペして使って下さい。

面接に着ていく服が決まらなければこちらの記事もどうぞ。

アシスタント生活を始める
面接に受かったらあとは毎日の仕事をこなしていくだけ。
初めての現場へ行く前に仕事道具を準備しましょう。
できるスタイリストが全員持っているアイテムを紹介します。

強くおすすめしていることが都心での一人暮らし。
今住んでいる場所からも別に都内は近いから大丈夫と思っている方も多いと思います。
しかしその通勤時間の認識すらアダとなってしまうのがアシスタント時代。
自分の首を絞める前にこちらの記事を確認して下さい。

アシスタントやめたくなったら
アシスタント生活をしていると多分99%の方がもうやめたいと思うはずです。
その感情が普通です。
アシスタントをやめたくなったらこちらの記事を参考にして下さい。

独立まで続ける
一般的に独立まで雑誌など写真メインで2〜3年、ドラマ映画の映像メインで3〜5年と言われています。
独立まで続けられたら勝ち組ですよ。
以上がスタイリストアシスタントのなり方です。
それでは次に衣装スタイリストの仕事の種類をご紹介します。
衣装スタイリストの種類
スタイリング系
タレント、モデルの衣装スタイリスト
雑誌や芸能人の私服みたいな衣装を用意するのが衣装スタイリスト。
雑誌やテレビ出演、TVのCMやアーティストのMV、一般の人のスタイリングまで広く仕事があります。
- 向いてる人
・体力がある、世渡り上手
・器用にこなせる
・体育会系 - 働くには?
働き方は個人でフリーランスをしていたり、スタイリスト事務所に入ることが一般的。
有名なスタイリスト事務所はこちら。
(※タイミングにより求人募集してない場合があります)
・ロビン・インターナショナル(港区南青山)
・アパッシュ(港区白金)
・フロントパージュ(世田谷区経堂)
・ニュートラル(渋谷区元代々木)
・エーツー(渋谷区神宮前)
・ANDANTE(渋谷区渋谷) - 応募資格
必須資格はありません。
服飾学科、デザイン系の学部を卒業してる方が多いですが別業界からの参入も多いです。
基本、大荷物移動なので車の免許を持っているとなお良しです。
衣装制作系
舞台衣装デザイナー、スタイリスト
アーティストやアイドルのライブやコンサートのステージ衣装を作るスタイリスト。
タレントによって内容は変わりますがタレント専属のスタイリストから製作依頼があったり、衣装制作会社の横のつながりで仕事が回ってきたりします。
なかにはタレント本人とどんな衣装がいいか打ち合わせをしたり、何万人の前で自分が考えた衣装が披露されるなどやりがいが強いお仕事。
個人よりアトリエやチームで動く方が多く、コーディネートをするスタイリストと明確な線引きはなくスタイリング・衣装制作両方やっている人など様々です。
また肩書きもデザイナーと名乗ったり、スタイリストと名乗ったりしていて明確な決まりはないようです。
売れっこのタレントになるほどスケジュールに余裕がなくコンサート本番直前までミシンを動かしていることもよくあります。
忙しいときにスポット的に縫製できる人をお手伝い募集してたりするので興味がある人は縫製の腕を磨いておくといざという時に役立ちます。
- 向いてる人
・手先が器用、縫い物が得意
・キラキラしたステージが好き
・体育会系 - 働くには?
担当している芸能人を公表している場合はスタイリストのHPやSNSに記載があります。
つくりたい系統の衣装が決まっている方は直々にアシスタントに応募してみましょう。 - 応募資格
服飾学科卒業、工業用ミシンが触れることを条件にしているところが多いです。
縫製士
営業や来月の収入や人の手配とか色んなことを考えずに、縫うことを専門にやりたいのであれば縫製の仕事がおすすめ。
ソーイングスタッフ、縫製職人、ミシン工、コスチューム製作、アトリエスタッフなどの名前で求人募集があります。
工業製品のように決まった服を縫いたいのかステージ衣装など細かい作品を作りたいかによって勤め先は変わってきます。
ちなみに衣装の担当は権利の関係上(大人の事情)で公言していない工場もありますので入社したあとにあの大物アーティストの衣装を作っているのかとビックリするケースもありますよ。
舞台衣装を請け負う会社だと衣装スタイリスト同様にコンサート本番直前までミシンを動かしていることもよくあります。
私は現場にいましたが本当に修羅場です。
- 向いてる人
・手先が器用、縫い物が得意
・会社員で働きたい
・縫うことに集中したい - 働くには?
インターネットの求人サイトやアトリエHPなどから応募可。
ステージ衣装制作で有名な会社はこちら。
(※タイミングにより求人募集してない場合があります)
・株式会社奧山
・plus81 costume
・アトリエヒノデ
・cream
・オサレカンパニー - 応募資格
服飾学科卒業、工業用ミシンが触れることを条件にしているところが多いです。
劇団、テーマパークの衣装係
特定のミュージカルやテーマパークなどに所属して衣装を製作、管理する仕事です。
衣装を作り納品して完成ではなく、不備がないように次の公演までに完璧に補修をします。
その衣装が役目を終えるまで縁の下からキャストを支える重要なお仕事です。
- 向いてる人
・手先が器用、縫い物が得意
・会社員で働きたい
・エンターテイメントが好き - 働くには?
インターネットの求人サイトや会社HPなどから応募可。
有名な会社はこちら。
(※タイミングにより求人募集してない場合があります)
・劇団四季
・東京ディズニーリゾート
・ユニバーサル・スタジオ・ジャパン - 応募資格
服飾学科卒業、工業用ミシンが触れることを条件にしているところが多いです。
ドラマ、映画衣装
映像系をメインで行うスタイリスト。
監督からイメージの指示があり、衣装を予算内で製作したり既製品を用意します。
ドラマの撮影は3〜4ヶ月かかることが多いのでその間は休みなしの覚悟が必要。
雑誌媒体よりも長期戦になります。
撮影スケジュールがずれ込んだりしますので臨機応変に対応する体力も必要です。
また時代劇など背景が特殊な場合は歴史の知識も必要になってきます。
- 向いてる人
・タレントの衣装というより作品を作りたい
・感動と世界観を衣装で支えたい
・チームで働きたい - 働くには?
先にも書いた衣装制作の会社で働くか、スタイリストのアシスタントになる方法があります。
有名な会社はこちら。
(※タイミングにより求人募集してない場合があります)
・松竹衣裳株式会社
・株式会社東京衣装
・株式会社東宝コスチューム - 応募資格
服飾学科卒業、工業用ミシンが触れることを条件にしているところが多いです。
努力と根性論は平成まで
衣装スタイリストのインタビューなどをみるとアシスタント時代の苦労話が美談にみえて余計にカッコよく感じます。
努力や根性があれば自分にも出来るのかなと思うかもしれません。
しかし現実は美しいものではありません。
こんな異常なデメリットがあるのにずっと昔からファッション界の憧れの存在であるスタイリスト。
当サイトはこれからスタイリストを目指す方へ「スタイリストになりたい、ファッションが好き」という夢を諦めて欲しい訳ではありません。
自分の向き、不向きを考えずにただ闇雲にスタイリストを目指したばっかりに業界から消えていった方を何人も知っています。
ファッションへの情熱があるならこそ、自分に合った仕事とは何か真剣に考えて行動すると人生にプラスの経験ができますよ。